晴乃皐の心赴くままに綴る言葉達
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晴乃皐
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女性
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読書
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blog start 20060817
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blog start 20060817
灯は父の事をあまりよく覚えていない。
物心付いた頃にはもう既に父はほとんど家に寄り付かなくなっていた。
覚えている父の姿は、部屋の中でひとり不機嫌そうに座り込んだ背中と、灯と弟を連れて出かけると帰りには必ず弟が泣きじゃくり、弱り果てて無口になる顔だけだった。
灯は海辺の街にひとりきりで住む叔父に、父親の面影を求めていたのかもしれない。
何かにすがる事など許されなかった灯にとって、この叔父は何かにつけ相談事を持ちかける事のできる唯一の存在だった。
母の弟である叔父は、三十代半ば近くなった今も独身で通している。
親戚筋からの縁談にも首を縦に振らず、実家からも離れたこの街で家を借り、暮らしていた。
一人身のせいか、年若く見える人で、そんなところも灯にとって気安くなる要素のひとつとなっていた。
何故叔父が未だ一人身で、この街に暮らすのか、その理由を問うた事は無かったが、灯にとって、叔父がこの街でひとりでいてくれる事が、息苦しい家族と暮らす毎日の逃げ道となっていたのは確かなので、それを荒立てるような事はしたくないというのが灯の本心だった。
だから叔父に理由を問うような事はしないのだ。
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