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晴乃皐の心赴くままに綴る言葉達
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blog start 20060817



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 次第に辺りは薄暗くなり、外から吹き込む風もますます涼しさを含んでくる。

 そろそろ夕食の支度をしようかと灯が起き上がると、玄関の開く音が聞こえてきた。

 灯は軽い足音を立てて玄関へ叔父を迎えに出る。

「おかえりなさい」

 笑顔で出迎える灯を見て、叔父はほっとしたように軽く笑みを浮かべた。

「ただいま」

 叔父は手に持った風呂敷包みを灯に手渡すと、靴を揃え、上がり框に置いた鞄を持ち上げる。

「夕飯、帰りがけに買ってきたんだ」

 見ればその風呂敷包みは有名な料理屋の物で、重箱らしき中身からは良い匂いが漂っている。

「担当さんにね、薦められたんだ、その店」

 灯は頷くと、風呂敷包みを持ち、台所に続く居間のテーブルへ運んだ。

 叔父は居間の戸口から顔を出すと自室へ戻り着替えてくるからと灯に告げた。

 廊下を踏む音が次第に遠ざかる。

 灯は風呂敷を解き、重箱をテーブルの真ん中に据えた。そして台所へ行き、二人分の箸と小皿を支度する。

 灯が食卓を整え、茶を淹れていると、着替えを済ませた叔父が居間へ現れた。

「いただこうか」

「はい、いただきます」

 二人は食事に箸を付ける。

 常に静かな食卓ではあったが、灯には息苦しさを感じない、心地良い時間でもあった。

 それは叔父といる時常に感じている心地良さであった。

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