忍者ブログ
晴乃皐の心赴くままに綴る言葉達
カウンター
最新記事
プロフィール
HN:
晴乃皐
性別:
女性
職業:
自由業
趣味:
読書
WEB拍手
いつも拍手ありがとうございます!!
お話がお気に召しましたらポチッといただけると幸いです
お礼ページに「鶍の嘴」設定1を掲載中です
WEB拍手
メールフォーム
ご意見ご感想などご自由にどうぞ♪
アクセス解析
ブログ内検索
[18] [17] [16] [15] [14] [13] [12] [11] [10] [9] [8]
500HITありがとうございます!!
このサイトは晴乃皐の文章作品を掲載しているサイトです。
作品を頭からお読みになりたい場合は、
右のカテゴリーより目次を選んでお進み下さい。

当サイト内の作品はボーイズラブ表現を含みます。
苦手な方、ご理解の無い方の閲覧はお断りいたします。

※ご注意
当サイト内全ての文章の著作権は晴乃皐にございます。
サイトTOPへのリンクは歓迎いたしますが、
当サイト内全ての文章の無断転載、二次配布など固くお断りいたします。
引用される場合は必ず出自明記をお願いいたします。

それでは、ごゆっくりお楽しみ下さいませ

blog start 20060817



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



お気に召したらクリックお願いします

人気ブログランキング にほんブログ村 小説ブログへ

「君は、誰?」

 あどけない様子で首を傾げながら、青年は灯の方へ近付いて来る。

 肩ほどの髪を風になびかせた青年は、驚くほど美しかった。

 柔らかい笑顔で灯を見詰め、通用門を開くと手招きをした。

「ちょうどお茶の時間なんだけれど、よかったら一緒にどう?」

 勝手に屋敷を覗き込んでいた後ろめたさから全く動けずにいた灯の手をそっと引き、露台へ続く庭へ灯を招き入れる。

「あの、僕は…」

「ひとりで退屈していたところだったんだ。時間があったら話し相手になってくれないかな」

 青年はふわりとまるで音が聞こえてきそうに微笑むと、灯の手を引き露台へと導く。

 

 青年に手を引かれながら、灯は彼の様子をじっと眺めていた。

 何か不思議な感覚を呼び起こす青年である。

 彼に纏わり付く空気が日常と一線を引いているような、はっきりしているのに薄い紗が掛かっているような、まるで夢の中にいるような浮遊感を灯は感じていた。

 握られた手は石の表面のように冷たかったが、不快感はなく、むしろずっと握っていたい滑らかさと心地よさが灯を魅了する。

PR


お気に召したらクリックお願いします

人気ブログランキング にほんブログ村 小説ブログへ

忍者ブログ[PR]