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晴乃皐の心赴くままに綴る言葉達
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blog start 20060817



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 露台には、薔薇の蔓を模した白いガーデンテーブルと揃いの椅子が二脚、海を臨むように設えられていた。

 テーブルの上にはティーセットの用意された銀のトレーが置かれている。

 トレーには、カップが二脚、ソーサーやティースプーンと共に用意され、灯は違和感を覚えずにはいられなかった。

「あの…、どなたか他にいらっしゃるんですか?」

「僕ひとりだよ、どうして?」

「カップが…」

「これは君の分」

「どうして…」

「っていうのは半分嘘。君のような来客がいつあってもいいように、いつも用意しておくんだ」

 青年はにっこりと微笑む。

 庭の側から見ると、その屋敷の大きさを嫌でも実感せざるを得なかった。

 門の構えは和風であったが、その建物自体はどこか洋風を思わせる細工がところどころに施され、和洋折衷の造りになっている。

 青年は椅子を引くと、灯に示し、仕草で座るよう促す。

 灯はどこかまだ戸惑っていたが、意を決して椅子に腰掛けた。

 青年は慣れた所作でカップにお茶を注ぎ、灯の前に差し出すと、自分の分を手にしたまま、向かいの椅子に腰掛ける。

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